VIX指数(volatility index)は動きにとても法則性があるので、タイミングよくトレードをすればとても高確率で利益を上げられます。しかし普通の株とは違い、指数をETF(上場投資信託)で扱うということになるので、初めての方はよく分からず扱おうとはなかなか思えないかもしれません。
ただ、取引方法は普通の株と全く同じで、さらに1株から取引ができるのでとても少額で投資することができます。そのため慣れるまでは数株から投資してみるのがよいかもしれません。
目次
1.特徴① VIX指数は上昇してもすぐに元に戻りやすい
ここ最近のVIX指数が上昇した重要イベントとVIX指数の値を比べてみましたが、イベント終了後VIX指数はすぐに元の値に戻っていることが分かります。
つまり、VIX指数上昇時に空売りをすれば利益を上げやすいです。
それなら逆に「VIX指数が低い時に買って、上昇してから売る方法も使えるのではないか?」と考える方もいると思いますが、それは極力避けた方がいいです。
リスクヘッジのために「VIX指数の買い」をオススメしている記事をたまに見かけますが間違いなく稼げていないかと思われます。(理由は特徴②へ)
2.特徴② VIX指数のETFは減価する
証券口座でVIX指数を取引する方法として、VIX指数に連動する「1552 VIX短期先物ETF」で取引することができます。
しかし、特徴①で説明したVIX指数のチャートと比べて価格が下落し続けていることが分かります。
そのため、「VIX指数の買い」はオススメできません。
下落し続ける理由については「VIX指数を利用した長期投資」に記載しています。
3.VIX指数の戦略
(1)VIX指数上昇時に空売りをする
①イギリスEU離脱国民投票
国民投票前はEU離脱派と残留派が拮抗していましたので、今後の先行きが不透明でした。そのためVIX指数は大きく上昇したので「空売り①」を入れています。
さらに国民投票後EU離脱に決まったため、VIX指数はさらに上昇しました。そのため「空売り②」を入れています。
その後EU離脱が確定しているため不透明感はなくなり元の値まで下落しました。そこで「買戻し」しています。
②アメリカ大統領選挙トランプ大統領当選
この時も①同様に選挙前は拮抗していたため、VIX指数は上昇気味でした。そこで「空売り①」を入れています。
その後トランプ大統領に決まったためさらに上昇しています。そこでさらに「空売り②」を入れています。
その後元の値に戻ったため「買戻し」ます。
③フランス大統領選挙
EU残留派のマクロン氏とEU離脱派のルペン氏の大統領選挙でした。マクロン氏有利と言われていましたがVIX指数は上昇していました。そこで「空売り」を入れています。
その後EU残留派のマクロン大統領に決まったため大きく下落しました。そこで「買戻し」しています。
④トランプ大統領ロシアゲート疑惑
トランプ大統領のロシアゲート疑惑によりVIX指数は上昇したため「空売り」を入れましたが、すぐに下落したため「買戻し」しています。
〇まとめ
リスクイベント前にはVIX指数は上昇する傾向があるので、そこで空売りをする。またリスクイベントでVIX指数が上昇した場合はさらに空売りを追加する。
(2)空売りを保有する
VIXを取引するための「1552 VIX短期先物ETF」は月足、日足共に大きく下落していきます。
これはVIX指数が一定の値でも「1552 VIX短期先物ETF」は減価(下落)していくためです。
そのためVIX指数の空売りを保有し続ける方法もあります。
※「1552 VIX短期先物ETF」を空売りする場合は注意点もありますので「4.VIX指数の取引手段」を確認して下さい。
参考⇒「VIX指数を利用した長期投資!年利が10%以上?!」
4.VIX指数の取引手段
(1)1552 ETF VIX短期先物(証券口座)
証券口座で取引する方法で代表的なETFが「1552 VIX短期先物ETF」です。基本的にはVIX指数に連動しますが、特徴②でも説明してるように大きく減価(下落)していく傾向があります。
そのため信用口座が必要ですが、空売りで利益が出やすいです。しかし逆日歩に注意する必要があります。
「1552 VIX短期先物ETF」は貸借倍率が1を切った場合、基本的に5円の逆日歩が発生します。
そのため上記の取引では、+15,000円の収益があったにもかかわらず、-25,000円の逆日歩により、合計は-10,793円になってしまいました。
貸借倍率は日証金速報で確認できるので、貸借倍率が1に近づいてきた場合は要注意です。
しかし急激に貸借倍率が1を割り込むこともあります。上記はその時の例です。
下記の(2)~(3)なら逆日歩の影響はありませんのでご確認下さい。
メリット :「証券口座で取引ができる」
デメリット:「高額な逆日歩がかかる可能性がある」、「信用口座が必要」
※「1552 VIX短期先物ETF」は2017年9月15日に「200:1」で株式併合されています。
(77円→15,400円)
(2)米国VIブル2倍ETF(CFD口座)
CFD口座で取引するVIX指数になります。VIX指数に連動し、ブル2倍のため「1552VIX短期先物ETF」の2倍程の値動きをする傾向があります。
つまり減価(下落)も2倍になります。さらにCFD口座は空売りでも逆日歩の影響はありません。(CFD口座は逆日歩が発生しない)
「1552 VIX短期先物」と「VIXブル2倍」を比較していますが、「VIXブル2倍」の方が圧倒的に減価(下落)していることが分かります。
また「VIXブル2倍」はアメリカ市場が開いている時間帯(23:30~6:00、サマータイム:22:30~5:00)に合わせて取引ができる特徴があるため、基本的にアメリカ市場が開いている時に大きく動くVIX指数にとっては有利になります。
メリット :「逆日歩の影響無し」、「減価が早い(利益率が高い)」、「夜間取引ができる」
デメリット:「CFD口座が必要」
(3)米国VI(CFD口座)
CFD口座で取引するVIX指数になります。こちらは減価はしませんが空売りを保有している場合に月に一度、減価相当額の「価格調整額」がもらえます。
さらにほぼ24時間取引できる特徴があります。
メリット :「逆日歩の影響無し」、「ほぼ24時間取引ができる」
デメリット:「CFD口座が必要」
参考⇒CFD口座 米国VI(VIX指数)に投資する方法(価格調整額出金方法)
参考⇒CFDとは?CFDの特徴と株式投資との比較!メリットは?
CFD口座開設URL⇒GMOクリック証券【CFD】
5.VIX指数とは何者なのか
VIX指数(volatility index)とは、通称「恐怖指数」と呼ばれ、アメリカ主要指数の「S&P500」を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出している指数です。・・・と言ってもよく分からないですが、要するに今後「S&P500」が大きく動くと予想する人が増えればVIX指数も上昇します。
つまりVIX指数の数値が高い程、多くの投資家が先行き不透明感を持っているということになります。
通常は10~20付近を推移していますが最近の例だと、イギリスEU離脱国民投票の時は25以上、トランプ大統領当選の時は22以上をつけています。
VIXの基本⇒「VIX指数を利用した長期投資!年利が10%以上?!」
VIXおすすめ口座⇒「CFDとは?CFDの特徴と株式投資との比較(メリットは?)」
VIXの利益目安⇒「VIX指数についてデータ分析!リターンとリスクの関係は?」
VIXの短期投資⇒「VIX指数で安定的に利益を出す具体的な投資方法!短期投資編」
素晴らしい解説ありがとうございます。
John Motsonさん、こんばんは。
そう言って頂けると記事を書くモチベーションに繋がります。
ありがとうございます!
あやたか先生
いつも沢山の貴重な情報、本当にありがとうございます❗
あくまでも仮の話ですが、例えば、米国VIに売りで入るとして、絶対にロスカットされたくない安心感と1ヶ月に平均10万円位の価格調整額が頂けると嬉しいなとすると、 大まかですが、
(150ー15)✖1050+(3000~4000)≒146000
15000000円÷146000円≒102個
こういう考え方で良いのでしょうか?
だとしたら、まさに、かなり夢のような魅力的な投資方法だと思いつつ、そんな都合の良いことあるかしら?と不安もあって質問させていただきました(^^)
ご回答よろしくお願いいたします(^人^)
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